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新しい仲間と共に、より良い介護を目指して

7月2日、うえもり初の外国人スタッフ2名が私たちのチームに加わりました。ミャンマー出身のポーさんとスノーさんです。異なる文化や背景を持つ彼女たちを迎えるにあたり、私たちが日々大切にしている「コミュニケーション」について改めて考えてみたいと思います。


■「仲良くする」のその先へ 相手を理解するためのコミュニケーション

「仲良くする」という言葉は簡単ですが、具体的にどうすれば良いか迷うかもしれません。そこで私が提案したいのは、「自分がされて嫌なことはしない」というシンプルなルールです。相手を思いやり、意識的に行動することで、新しい仲間との信頼関係を築くことができます。

この考えは、介護の仕事にも通じます。ご利用者さんの立場に立ち、何を望み、何を不快に感じるかを想像する。そして、それを踏まえた上で、一人ひとりに寄り添ったサービスを提供することが、質の高い介護につながります。

 


■ご利用者さんの価値の追求に向けて、「業務」と「仕事」の違いを考える

私たちは毎日、入浴や食事の介助、記録作成など、やるべきことに追われています。これはご利用者さんの生活の質を支える上で欠かせないもので、介護現場における日々のルーティンであり、いわゆる「業務」といえます。

では「仕事」という観点で考えるとどうでしょうか?「仕事」は「どうすればご利用者さんの希望を叶えられるか」を考え、行動することです。日々の対話や個別の希望を叶えるための行動、さまざまなイベントの企画など、ご利用者さんにとっての価値を追求し、喜んでいただくことが「仕事」の目的です。

新しい仲間が増えるこの機会を、もう一度「仕事」のあり方を見つめ直すチャンスと捉え、ご利用者さんの価値に沿った「仕事」を増やしていければと思います。


■経験が豊かなスタッフが持つ「情報」という宝物

長年勤めているスタッフは、ご利用者さんに関するたくさんの「情報」を持っています。それは、ご利用者さんが元気だった頃のお話や、好きだったこと、大切にされていたことなど、マニュアルには書かれていない貴重な情報です。今では言葉を交わすのが難しいご利用者さんの希望を叶えるための大きなヒントになります。皆で「どうすれば喜んでいただけるか」を話し合うことで、さらに質の高い介護を提供できるようになると考えています。


■より豊かな介護を目指して、いま私たちができること

スタッフが増えても、今までと同じように淡々と日々の業務をこなすだけではご利用者さんの生活は何も変わりません。余裕ができた時間で新しいイベントを企画したり、ご利用者さん一人ひとりに寄り添う時間を増やしたりすることができれば、介護の可能性は大きく広がります。

そして介護職としての経験の長さとは関係なく誰もができることは、ご利用者さんの「情報」を共有するためのスタッフ間の「コミュニケーション」です。ご利用者さんに関する貴重な情報を積極的に共有し連携することで、チーム全体でご利用者さんをより深く理解し、その方の人生に寄り添うことができます。

「やらなければならないこと」だけでなく、「やったらもっと良くなること」を考え、実践する。創業30周年、そして初めての外国人スタッフの受け入れを機に、ご利用者さんお一人おひとりにより豊かな時間を提供できる介護の実現に向け、心を新たに取り組んでいきたいと思います。

福祉のうえもり 代表取締役 植森 江助