介護の現場でテクノロジーの活用が進んでいます。
ケアプラン作成や介護記録、請求管理といった従来のものから、AI(人工知能)や画像技術で介護者の転倒事故などを未然に防ぐ最先端のモニタリングシステムまで、新しい技術が次々と生まれています。
いっぽうで、日々の対応に追われパソコン操作に不安があるスタッフも多い職場では、その流れについていくことが難しい現状があるのもまた事実。私たちも、以前から介護ソフトの必要性を感じながらも、導入に踏み切れずにいました。
そんなうえもりでも、いよいよ介護ソフトの導入を決定。来年1月に予定しているグループホームふれあいでの本格利用を前に、施設長とマネージャーがオンライン研修を受講し、準備を進めています。
導入に至った要因のひとつには、介護テクノロジーの導入を支援する補助金の後押しがありました。介護職員の業務負担軽減により生み出される時間を、直接的な介護ケアの業務に充て、サービスの質の向上につなげる、という国の施策です。
しかしそれ以上に大きなきっかけとなったのは、2年前に始めたグループホームふれあいでのiPad導入でした。普段は見ることができないご利用者様の笑顔をご家族様にお見せするため、いつでもスタッフが写真を撮れるように設置したものです。当初はデジタル機器に不慣れなスタッフはあまり使わないのでは、と危惧していましたが、思いのほか受け入れられ、現在は日常的に写真を撮ることが定着してきています。
認知症ケアのプロとして、ご利用者様の想いを尊重したサービスの提供には自負がある私たちですが、人材不足の課題は常に抱えています。スタッフの高齢化や年々難しくなる人材採用に直面するなか、外国人スタッフの採用も視野に入り始めました。日本語でのコミュニケーションにはやはり不安がありますが、チャットGPTや音声入力といった技術がそれを補ってくれるのではないかと期待しています。
今回の介護ソフト導入は、うえもりらしい介護サービスを実現し続けるためのテクノロジー活用の第一歩。まずはできる人から初めて、徐々に広げていければ、と考えています。
2025年1月、福祉のうえもりは介護事業開始から30年を迎えます。ひとつの節目とはなりますが、さらにその先も見据えながら、今後も私たちらしく挑戦を続けていきたいと考えています。
福祉のうえもり 代表取締役 植森 江助