人が人を支えるって…
今現在、一人の職員の進退問題について考えています。
方向としては辞職を促すことで決まっています。
ただ、彼の人生を考えるとそうも簡単なことではないと気持ちは揺れるばかりです。
当社は14年にわたって介護事業を行ってきました。
しかもその多くを認知症の方を支えるために費やしてきました。
認知症とは、「①原疾患があって、②そのために後天的に脳の器質的変化が起こることによって、
③認知機能に障害が出ることで、④日常生活に支障をきたすようになって、
⑤その症状が6ヶ月以上継続している状態」を表した言葉です。
認知症という状態になると様々な場面で「日常生活に支障」が出てきます。
そのような状態にある方の日常生活を社会性を保ちつつ、かつ支障をきたさないように支えるのが仕事です。
となると当然のように支援する側は日常生活が自立していないといけないことになります。
かなり抽象的ですが、例えば食事という行動を自分で考え、体を使って目的を達成できなければならないわけですが、
その考え方、達成の仕方というのはそれぞれの個々人の歩んできた人生や価値観、
経験などの多くの要素によってかなりブレがあります。
もちろん仕事に当たる職員も多聞にもれるわけではありません。
そのブレを出来る限り一般的に考え、整理して仕事に当たるわけです。
そうなると、職員同士も支えあって、得手不得手をそれぞれに認識しながら仕事をこなしていくことになります。
一生懸命に生きている人の今現在が精一杯だったとしたら誰がそれを責めるのか。
ただし、責めずにすむにはその人を「十分に知る」ことが必須になります。
利用者のことは少しでも多く知ろうと懸命に取り組みます。
しかし、職員同士ではかなりその気持ちが希薄になります。
気持ちの揺れは、「本当に彼の精一杯を僕が知っているのか」からでてきています。
来週早々にも彼と話をしなければいけないのですが、いまだ多くを知らない彼のことを、
今一度十分に話をしてみようと思っています。
2009.10.22
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